とうこの独り言日記

飼い猫の事や日々の事を綴っています。

命の為に何かを失うという事

声帯がんの為に療養中だった、つんく♂近畿大学の入学式の祝辞の中で、声帯を摘出して、
声を失ったことを公表した記事を読みました。祝辞の全文も読んで、本当に考えさせられ、色んな事を気づかせてくれました。

私自身も慢性疾患を抱えながら、生活していますが、命の為に何かを諦めるという選択は、初めからなくて、
命が助かった瞬間から、病気と共に生きていく道しかありませんでした。
病気を受け入れられずに、精神的にもつらい日々を送っていたので、正直、病気を発症してからの一年くらいは、自分が何をしていたかさえ、よく覚えていません。
でも、私は、命の為に何かを諦めざるを得なかった事は、何一つなく、強いてあげれば、やるべき事が増えた事位です。

でも、つんく♂は、命の為に声を諦めたとあり、歌手にとって、そうでなくても、その選択は、辛いことと言葉では表す事が出来ない位、想像を絶するほど、辛かったと思います。事実そうしなかった、歌手もいました。
また、命の為に何かを諦めざるを得なかった人も数多くいると思います。

この大学に入学した経緯は、どうであれ、自分自身が、「この大学に入って良かったな」という道を歩めば、いいと言うメッセージ、また、「こんな自分だから、出来る事、こんな私にしか出来ない事」を考えながら生きていくというメッセージは、本当に前向きで、私の心に喝を入れてくれました。

結局は、自分の人生を良くするのも悪くするのも自分次第だという事。
病気になった自分を悲観していても始まりません。でも、今までは、その事実から目を背けていました。
考えないようにする事で、何とか自分を保っていました。
好きな事をやろうと言うセリフは、表向き前向きでしたが、本当は、好きな事をやる事で、無理やり前向きな自分を作っている事に気が付きました。だから、とても精神的に疲れてしまっていたのです。
これからは、本当の意味で、生きている自分に感謝して、心の底から前向きに生きていける様に頑張っていきたいと思いました。

若かりし頃、大好きで、よく聞いていたあの歌声は、生ではもう聞く事が出来ませんが、
これからは、彼の選択を彼の生き様を応援していきたいと思います。
そして、これからも、心に響く歌を作ってくれると信じています。